石鹸のチラシで見つけた、意外な表現
広告の反応率アップの鍵を握るのがオファーですが
ある石鹸のチラシで、意外に感じた表現を見つけました。
このチラシの注文用のフリーダイヤルの近くに載っていたのは、
【ご注文が大変混み合います】という文句です。
この表現、一見無謀に思えますよね。
なぜならお客様に対して、「注文に手間がかかるかもしれない」
と言っているからです。
逆に、多くのチラシで書かれているのが、
「今すぐ」の注文を促す文言です。
当社にファイリングしてあったチラシの束を
引っ張り出して見てみると・・・
「今すぐお電話ください」
「お申し込みは今すぐコチラヘ」
「ご注文は今すぐ!通話料無料の専用電話か
FAXまたはインターネットやおハガキで」
「商品のお申し込みお問い合せは今すぐこちらまで!」
「お申し込みは今すぐ!通話料無料のお電話で」
など、「今すぐ」を入れた文言が多く見つかりました。
オファー文言を変えると売上は?インフォマーシャルでの実験
このようなお決まりの台詞を変えると、売上がどう変わるか?を
実験した事例があります。
「影響力の武器 -実践編-」という翻訳書に載っていた話ですが、
アメリカのあるTVショッピング番組で、
これまで使っていた表現(A)を、新しい表現(B)に変えました
A 「オペレーターがお待ちしています。今すぐお電話ください。」
B 「オペレーターにつながらない場合は、恐れ入りますが、
繰り返しお電話ください。」
Aの場合は、手持ち無沙汰のオペレーターが、電話を待ち構えている
シーンを想像する人も、少なからずいると思います。
つまり、「あまり売れていない」という印象を与えかねません。
一方、Bの場合は、ひっきりなしに鳴る電話にオペレーターが対応する
シーンが目に浮かぶように、狙っているのでしょう。
電話が鳴っている、つまり「私以外にも買っている人が、
たくさんいるのだ」というのを、暗示するためです。
↑のように、「商品を注文するのは面倒かもしれない」と
お客様に思わせるように、表現を3箇所だけ変更しました。
たったそれだけで、購入者が激増したというのです。
「社会的証明」の原理から通販広告を見てみると...
冒頭の石鹸のチラシも、このように「注文が混み合う」と
あえて伝えることで、
<みんなが買っている人気商品>=<自分が買う価値のある、良い商品>
と間接的に印象付けようとしているのでしょう。
このように、第三者の行動が、その人の意思決定に影響を与える
という効果を、社会心理学では「社会的証明」の原理というそうです。
よく通販広告に使われている、「体験談」や「専門家の声」も
この原理を応用していると言えますね。
ちなみに、通販チラシのフリーダイヤル近くにあった表現で、
「面白いな」と思ったものをご紹介すると・・・
「女性が対応します」
→化粧品のチラシですが、同性の方が電話に出ると
わかると、安心するのでしょうか。
スタッフの顔写真を出しているチラシもありました。
「こちらから電話はかけません」
→「一度注文すると、しつこく電話がかかってくるかもしれない...」
という消費者心理に先手を打っています。
出典元:売れる通販トピックDIRECTA
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